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2013 年度 実施状況報告書

子どもの性被害と性加害への心理・教育的アプローチ―性的発達の観点から―

研究課題

研究課題/領域番号 24730581
研究機関大阪大学

研究代表者

野坂 祐子  大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20379324)

キーワードトラウマ / 性被害 / 性的問題行動 / 支援
研究概要

【研究内容】
研究1「性被害の実態調査と被害児への支援実践」については、トラウマ体験を有する児童生徒に対するTF-CBT(トラウマフォーカスト認知行動療法)の施行を行い、臨床上の課題等について見当した。また、児童福祉施設を対象に、被虐待等の体験のある中学生女子を対象としたグループワークを行い、実施前後のトラウマ症状等を測定した。感情に焦点をあて、アサーティブを主とするSSTを組み合わせた結果、トラウマ症状のうち感情の麻痺に関する諸症状の有意な軽減が認められ、さらにストレスコーピングにおいて積極的対処が有意に増加するという効果が示された。
研究2「性加害児への治療教育の実践と効果評価」については、主として性問題行動を有する生徒を対象とする、学校での健康教育のプログラム作成と実践を行った。高等支援学校と公立高等学校の協力を得て、指導内容の検討や事例研究等を行い、その成果について報告書『思春期におけるさまざまな課題のある生徒への健康教育と生徒指導II』にまとめ、全国の高等支援学校等へ配布し、研究成果の学校現場への還元に努めた。また、調査協力校の管理する学校ホームページに、構築したプログラムについて公開し、成果を還元した。
研究3「性暴力に関する支援教育ツールの開発」については、性虐待を受けた児童への書籍の翻訳を行い、次年度に公開予定である。また、これまでの研究で作成した真理教育用リーフレットを広く還元するために、ダウンロードが可能なホームページを継続的に管理運営している。
【意義】いずれの研究も、幼児期および児童期に重複的トラウマを負った児童生徒を対象とした研究であり、対象者のケアや教育のあり方を検討することは、児童福祉の観点や教育上の観点からも有意義であると考えられる。また、研究成果について、報告書や教材で公開し、教育現場等への還元を行っていることも意義があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画した内容については、順調に遂行されている。最終年度にあたる次年度には、これまでの研究成果をまとめた教材開発を行う予定であり、そのための準備も整っているため。

今後の研究の推進方策

予定通りに遂行する。調査協力をいただいている学校や施設等と協議のうえ、より必要性の高い課題に移行する可能性はある。その際は、協力機関との十分な協議の上決定する。

次年度の研究費の使用計画

年度内に作成する予定だった報告書の進捗が遅れ、翌年度初めに作成することになったため。
報告書作成経費が「その他」に上乗せされる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 被虐待児の情動発達と心理教育的支援2013

    • 著者名/発表者名
      野坂祐子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回総会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      20130819-20130819
  • [学会発表] 子どものトラウマへの治療~TF-CBT構成要素の臨床的実践~2013

    • 著者名/発表者名
      野坂祐子
    • 学会等名
      第12回日本トラウマティック・ストレス学会プレコングレス
    • 発表場所
      帝京平成大学
    • 年月日
      20130510-20130510
  • [図書] フィールド心理学の実践:インターフィールドの冒険2013

    • 著者名/発表者名
      野坂祐子
    • 総ページ数
      19
    • 出版者
      新曜社
  • [備考] 子どもの性の健康研究会

    • URL

      http://csh-lab.com/

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公開日: 2015-05-28  

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