研究課題/領域番号 |
24730583
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
尾形 明子 広島大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (70452919)
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キーワード | 心理的介入 / 小児がん |
研究概要 |
小児がん患者の親は、子どもの体調や再発に関する心配や子育てにおける困難さといった多岐にわたる問題を抱えていることがわかっている。このような親が抱える心理学的問題に対し問題解決療法プログラムの開発を行い実施してきた。一方、小児がん患児自身も、病気の治療に加え、入院生活への適応や復学の問題など様々な心理社会的困難に直面していることがわかっている。入院中の心理適応は、その後の子どもの心理適応にも影響することも知られているが、小児がん患者自身への心理的介入プログラムは十分開発されていないのが現状である。そのため、本研究では、患児自身に対する心理的支援プログラムの作成をめざし、本年度は,まず、小児がん患者が抱える心理社会的問題に対する問題解決療法プログラムの作成に取り組んだ。主に、身体疾患を抱えた子どもや学校適応の問題を抱えた子どもなどの子どもの心理的問題に関する国内外のプログラムをレビューし、介入の構成要素や回数を検討した。また小児がんの子どもの心理的問題の現状を鑑みると、1次予防、2次予防的な介入プログラムの実施が必要であると考えられた。また、本研究では、親子関係にも焦点をあてていることから、親子といった視点を取り入れた介入内容についても、国内外の先行研究についてレビューを行った。その結果、親が行う子どもへの支援方法についてのガイダンスを含む親への介入が有用であると考えられた。これらの国内外の知見と実際の医療現場での実施可能性を考慮し、プログラムの詳細を検討していくことが今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介入内容の構成要素を決定できており、おおむね順調に進展している。介入のためのマニュアル等のツールの作成には不十分な点があり、次年度の課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、介入の構成要素の検討を中心に行ったことから、次年度は、具体的な介入ツールの作成に取り組む。介入ツールの作成においては、医療領域のみならず、幅広く子どもへの介入方法のツールを参考にしていくこととする。 また、親子介入とした時に、全体としてのプログラムの介入回数の検討が必要であり、親子それぞれのプログラムをまず作成したうえで、全体的な介入を検討していくことが望ましいと考えられる。そのため、介入プログラムの構成を再検討を優先することとし、介入のパイロット研究の開始時期は再来年度とすることとする。
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