本研究では、里親を通した里子の支援と里親の臨床心理学的支援の実践を通して、彼らの悲嘆と新しい家族への適応という2つの過程を明らかにするとともに、その過程で必要とされる支援について検討することを目的とした。 本研究の結果、震災で里親となった者には、トラウマティック・ストレスと悲嘆に関する心理教育が、心理的ストレスの軽減に効果があることが示された。里親が抱える様々な課題には、臨床心理学的な支援が必要なものもあったが、十分ではなかった。従来の臨床心理支援は「相談を待つ」姿勢が多いが、積極的に関わる支援も必要である。今後は、様々な支援者のそれぞれの連携の上に、包括的な支援システムの構築が望まれる。
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