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2014 年度 実施状況報告書

統合失調症を対象とした認知機能改善療法の生物学的作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24730591
研究機関淑徳大学

研究代表者

中坪 太久郎  淑徳大学, 社会学部, 講師 (90456377)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード統合失調症 / 認知機能障害
研究実績の概要

統合失調症の認知機能障害を改善するための治療技法の開発を目的として取り組んでいる本研究では,1年目に評価のための道具や体制の準備を行い,昨年度からはその実施を行った。今年度も継続して,統合失調症患者の認知機能障害改善のためのアプローチについて,その効果の検証を行った。
入院中の統合失調症患者を対象として,主に記憶,注意,実行機能の改善を目的とした認知機能改善プログラムを実施し,その効果について,精神症状,社会機能および,神経心理学的検査バッテリーを用いた評価を実施した。
これまでの検討から,行動指標レベルにおいては,記憶機能や実行機能を対象としたマンツーマン形式での心理療法的介入が有効となる可能性が示された。特に,これらの領域を対象とした,課題遂行のためのストラテジーを組み込んだ教示を取り入れることが,改善に寄与すると考えられた。一方で注意機能については,現在のプログラムの内容だけでは,頻度や時間の問題から,大きな改善までを望むことが難しいことが示唆された。また,fMRIを用いた効果の検討については,現在も継続中であり,今後その検証を行っていく予定である。
これらの取り組みは,現在の我が国の精神科医療を取り巻く環境において,重要な内容となると考えられる。統合失調症患者は,入院後,早い時期で退院することも多くなってきており,退院準備のための心理教育などがさまざまな施設において実施されている。認知機能が適切に改善されれば,それら退院準備のための心理社会的治療の効果を底上げすることが期待できることから,本研究のような取り組みには意義があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の第一の目的である,統合失調症患者を対象とした認知機能改善のためのアプローチについて,精神症状,社会機能,および神経心理学的検査バッテリーを用いた評価については,一定の参加者による検証が実施できている。一方で,fMRIによる効果の検証については,参加者の確保の問題等により遅れが生じているため,継続して取り組みを行っていく予定である。

今後の研究の推進方策

平成27年度も継続して研究を実施していく予定である。治療プログラムについて,その内容や実施期間については,これまでに実施してきた分との比較のためにも変更ができない。そのため,研究実施機関において,担当の医師やソーシャルワーカー等と連携して参加者を募るようにし,効果の検証に必要なデータを収集する予定である。また,その成果についても報告を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

本年度も継続して統合失調症患者を対象とした認知機能改善プログラムの実施と,その効果についての検討を行ってきた。しかし,研究設備の入れ替えや,研究協力スタッフの異動等の問題があり,研究成果をまとめるための作業等に遅れが生じたため,次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度においては,これまでの研究内容を継続して実施するとともに,それらの成果を報告していく予定である。そのため,研究成果報告のための学会発表旅費および論文作成のための印刷費等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 認知機能改善療法(CRT)の基本,および,取り組みの紹介2015

    • 著者名/発表者名
      中坪太久郎
    • 学会等名
      第1回CEPD研究会
    • 発表場所
      国立精神・神経医療センター
    • 年月日
      2015-03-14

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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