【目的】本年度は、昨年度のプログラムの試行的実践を踏まえた、包括的な子育て支援プログラム(以下、親支援プログラム)の実施と実践の評価(アウトカム評価)を目的とした。 【方法】1)Skypeを用いて、親支援プログラムの講師兼ファシリテーターと内容ならびにセッションの振り返りの持ち方についての協議を行った。2)21名の母親ならびにその配偶者に対して親支援プログラムを計10セッション計画した(配偶者はうち2セッションのみ)。3)実践の評価として、プログラム前後に母親の「メンタルヘルス」「こども観」について、構造化面接を用いて測定した。 【結果】1)昨年度とは異なり、プログラム未経験者が今回の実践対象とされたため、昨年度課題として挙がった「内省的なプログラム」をどのように実施するかについて、議論された。まずは親の子育てスキルを育てる行動形成を主としたセッションから始め(6セッション)、より子どもの気持ちを考えるような内省的なセッション(2セッション)、最後に夫婦で参加し、ストレスマネジメントや夫婦関係を扱うセッション(2セッション)学期にあわせて行うこととなった。2)10月・11月に現地を襲った地震と台風による災害により、セッションを2つ少なくしての実施となった。3)災害による心理面の影響を考え、実施後の測定は、「こども観」のみとし、現在分析中である。
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