本研究では,小学校入学に伴う適応に関わる要因を明らかにすることを目的として,2つの研究を行った。研究1では,児童個人に適応に必要とされるスキルを獲得させるSSTを実施し,集団活動への適応が促進されるかを検討した。その結果,スキルの獲得は確認されたが,集団活動でそのスキルが発揮されるにまでは至らなかった。次に研究2では,幼稚園・小学校で支援の対象となる問題行動,問題行動が起こる状況,問題行動の機能,問題行動への対応について調べ,幼稚園と小学校での違いを検討した。その結果,問題行動の特徴は幼稚園と小学校で共通していたが,それに関わる環境要因には違いが見られた。
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