研究課題/領域番号 |
24730612
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
鹿島 なつめ 西南学院大学, 人間科学部, 准教授 (80442408)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 前思春期 / 幼児期 / 情動制御 |
研究実績の概要 |
平成27年度は3月に子どもの行動チェックリスト(CBCL),バールソン児童用抑うつ尺度(DSRS-C),楽しい学校生活を送るためのアンケート(Q-U)を、調査協力を了承していただいた児童、保護者に郵送し、3,4月に回収した。CBCLは保護者記入用質問紙、DSRS-C,CBCLは児童記入用質問紙である。縦断調査のため、毎年度末に質問紙を送付、回収を行っており、今年度も郵送調査を計画通り実施した。
また平成27年度が本研究の最終年度の予定であったため、郵送調査に投映法のPFスタディ(絵画欲求不満テスト)(児童用)を加えた。本研究の研究協力者の児童は,研究者の前研究課題において、3,4,5歳時に否定的感情喚起状況図版を用いての個別面接調査を受けている。本研究の最終年度に、PFスタディ(欲求不満に陥る状況への反応を絵画に記入する投映法調査)への回答を求めることによって、研究協力者の否定的感情への無意識的態度(投映法による)を検討することが可能になった。これにより、前研究で得た幼児期の言語回答と前思春期の投映法への言語回答(否定的感情への無意識的態度)、質問紙調査による言語回答(意識的態度)を検討していく予定である。
本研究課題中に回収されたデータより、「幼児期にどのように否定的感情に言語で接近し、否定的感情への言及が可能であったか」、「幼児期にどのような自己制御の考えが創出され変遷していったか」、の2点が就学後から前思春期に至るまでの適応に影響を及ぼしたかを研究終了までに検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度末に郵送調査を行ってきたため、最終年度の調査データの検討が終了していない。そのため研究期間の延長を申請し承認された。延長した年度で検討を終了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
データ検討を延長年度内に終了し、結果をできるだけ速やかに学会、論文にて公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
発達に関する縦断調査においては研究協力者の減衰が大きな課題である。本研究においても研究協力者の転居先不明による減衰や、郵送調査による回収率が低くなっていった。これにより、回収できるデータが見込みより減り、データ入力のためのバイト雇用代、研究協力者への謝金(図書カード)の支出が見込みより減ったことが次年度使用額が発生した理由として挙げられる。 またデータ分析、論文執筆・改稿を学会出席より優先したため、旅費を予定通り使用しなかったことも次年度使用額が生じた理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
延長年度において、最終年度調査データの入力バイト雇用代として使用する予定である。
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