研究課題/領域番号 |
24730617
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
重宗 弥生 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 特定研究員 (70547273)
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キーワード | 報酬 / 罰 / 記憶 / ソーシャルインタラクション / 脳機能イメージング / fMRI / 認知神経科学 |
研究概要 |
社会的存在である人間は他者との様々なやり取りの中で人間関係を記憶・学習していく。本研究の目的は、人間関係における報酬や罰のやり取りがその相手の記憶に与える影響の脳内機構を機能的磁気共鳴画像(fMRI)により検証することである。 当該年度は (1)ヒトから報酬や罰を受けることが記憶に与える影響とその神経基盤、(2)ヒトに報酬や罰を与えることが記憶に与える影響とその神経基盤、(3)ストレスが金銭的な報酬の記憶促進効果に与える影響とその神経基盤、の3つの研究を進めた。(1)の研究では、この研究により、ヒトから報酬や罰を受ける方がヒト以外のものから報酬や罰を受けるよりも意図の推論を行い、報酬をよりポジティブに罰をよりネガティブに感じること、ヒトから報酬を受けた際に記銘した記憶が促進されることが示された。(2)の研究では、ヒトに報酬や罰を与える方が人以外のものに報酬や罰を与えるよりも意図の推論を行い、報酬をよりポジティブに罰をよりネガティブに感じること、ヒトかヒト以外かには関係なく報酬や罰を与えた際に記銘した記憶が促進されることが示された。(3)の研究では、ストレスにより報酬の記憶促進効果が強められることが示された。(1)、(2)、(3)のfMRIデータについては現在、解析を進めているところである。これらの研究で得られた成果は2014年度中の国内外の学会で発表し、専門的な学術誌に発表するための論文化を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、本研究課題に関連する2つの研究のデータ収集を完了し、1つの研究についてデータ解析を進めることができた。そのため、研究はおおむね順調に進展しているといえるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
今後はfMRIデータの解析を行い、その成果を国内外の学会や専門的な学術誌に発表する準備を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
「次年度使用額」は、当該年度に国内外の学会での発表を行わなかったために生じたものである。 次年度使用分を合わせた次年度の研究費の最も主要な使用予定は国内外での学会で研究成果を発表するための参加費や出張費である。また、研究成果を専門的な学術誌で発表するための投稿費、印刷費、別刷り購入費として使用する予定である。
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