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2012 年度 実施状況報告書

音の特徴による知覚的体制化とその相互作用の神経基盤に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24730618
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

小野 健太郎  京都大学, 生命科学系キャリアパス形成ユニット, 研究員 (30435870)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード聴覚 / 知覚的体制化 / 音楽経験 / 脳磁図
研究概要

平成24年度は、音の強弱とピッチによる知覚的体制化が聴覚野の活動に与える影響を主な目的とした。音の強弱による体制化の影響を調べた実験では、強弱2種類の音を使ってリズムパターンを繰り返す音列と2音をランダムに並べた音列を作り、ごくまれに音列の中にある無音区間に対する脳活動を脳磁図(MEG)を用いて測定することで、リズムパターンの有無が音の知覚に与える影響を調べた。音楽経験者と非経験者を対象として実験を行ったところ、どちらもランダムな音列での無音区間に対してより大きな脳活動を示した。脳のどこが活動したかを調べる信号源推定の手法を用いたところ、音楽経験者では右半球の下頭頂小葉に活動の発生源が見られた一方、非経験者では左半球の聴覚野に発生源が見られ、音楽経験によって音列におけるパターンの処理が異なる可能性を示唆する結果となった。この研究については10月にアメリカのニューオーリンズで行われたSociety for Neuroscienceにおいてポスター発表を行い、またこの4月に論文がEuropean Journal of Neuroscienceに採択された。
ピッチによる体制化の影響を調べる実験では、音の強弱を用いた実験と同様にピッチパターンの繰り返しによる音列とランダムに並べた音列を作成し、予備実験および本実験を行った。結果についての分析を行う段階で当該年度が終了した。
これらの実験を踏まえて計画していた3つ目の実験の準備についても、予備実験に進むことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当該年度においては、予定していた2つの本実験を終えることができた。1つは国際学会での発表および論文が採択される事となり、2つ目の実験についても特に問題なくデータ解析および論文作成へと進む事となった。またもう一つ計画していた予備実験についても取り組むことができ、当初の計画以上に順調に進展することができた。

今後の研究の推進方策

2年目においては、前年度に行った2つ目の本実験のデータ解析と論文作成をまず行う予定である。これらが終了次第3つ目の実験に進む予定だが、余裕があればこれらの結果を踏まえて新しい実験を行うことも考えている。

次年度の研究費の使用計画

2年目の研究費は主に実験の際の被験者への謝金および学会参加費に用いる予定である。また実験遂行に必要なソフトウェアおよびデータ保存メディアなどの購入にも用いる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of regularity on the processing of sound omission in a tone sequence in musicians and non-musicians2013

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ono, Masao Matsuhashi, Tatsuya Mima, Hidenao Fukuyama, Christian F. Altmann
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] Effects of the structure of tone sequence on the processing of tone omission in musicians and nonmusicians.2012

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ono, Masao Matsuhashi, Tatsuya Mima, Hidenao Fukuyama, Christian F. Altmann
    • 学会等名
      SfN2012
    • 発表場所
      New Orleans, USA
    • 年月日
      20121013-20121017

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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