研究課題/領域番号 |
24730621
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
田中 大介 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20547947)
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キーワード | 潜在学習 / 個人差 / 動機づけ |
研究概要 |
母語の獲得から読み書きの学習や計算能力、あるいは身体運動にかかわるような、いわゆる教科教育の枠にとどまらない広義の学習を考える上で、潜在学習能力はその根幹にかかわる能力であると考えられる。しかし、既存の潜在学習課題は子どもの実験耐性に比して長い時間を要するものが多く、成人の実験協力者以外には適応できないものが多い。そのため、小・中学生といった、比較的年少の実験協力者における潜在学習能力を測定する方法を開発することは、潜在学習研究の成果を学校をはじめとする教育現場へ応用していくためには重要なことであると考えられた。 前年度は、既存の潜在学習課題を、子どもにとって抵抗感の少ないと思われる、ダンスステップゲームとして新たに開発し、行動指標の検討を行った。課題そのものの妥当性は検証できたが、入力デバイスの問題が明らかになり、改善する必要が生じた。 そのため、本年度は新たに特注した入力デバイスを用い、中学生の実験協力者に対して、前年度と同様のダンスステップゲームを実施して、潜在学習能力の測定を行った。あわせて学習における動機づけと関連して、学習状況に対する実験協力者自身の主観的評価を心理的変数として取得した。そして潜在学習における動機づけの意味合いを考える新たな試みを行った。 潜在学習における選択的注意の役割に関しては、これまで多くの研究がなされているが、動機づけとの関係に焦点を当てた研究は少ない。選択的注意に比べて、より主観的に操作可能であると考えられる動機づけとの関係を明確にした研究を行うことは、潜在学習能力の個人差を補填しうる介入の開発などと関連して、きわめて有益であると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成人データ・子どものデータの取得に関してほぼ予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
大規模データの取得に関するフィールドの開拓を行う必要がある。あわせて成人データをさらに取得する必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
謝礼を必要としない実験協力者が計画よりも多かったこと、データ整理アルバイトとして適当な人材を採用することができなかったこと、および計画していた出張をこなすことができず、結果として旅費が残る形となったこと、が挙げられる。 データ整理などにアルバイトを雇用するなどして研究の効率化を図り、まとめた研究成果を発表する機会を増やす。
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