研究課題/領域番号 |
24730621
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
田中 大介 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20547947)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 潜在学習 / 人工文法課題 |
研究実績の概要 |
先年度に実施したこどもを対象とする潜在学習課題の開発成果を学会で発表するとともに論文の執筆を行った。潜在学習課題はこどもを対象とした場合、こどもの実験耐性の低さから実施が困難である。そのためこどもに対して実施するためには、こどもの実験に対する抵抗感を軽減する必要があり、それを可能とするような実験を行った。さらに、そうして作成された実験結果が成人を対象とした実験と同等を担保しうるかについての妥当性を検証する実験を行った。これらの手続きの妥当性について、国内外の学会において発表することで国内外の研究者に意見を求め、おおむね合意が得られた。 本年度は、鳥取大学の「こどもの発達・学習研究センター」が発足した年であり、鳥取大学の附属学校部をフィールドとする研究体制が整えられた。本来の予定であれば、本年度潜在学習に関する実験も行う予定であったが、センターとしての基盤的研究である質問紙コホート調査の実施を優先させたため、本年度は潜在学習に関連した実験は実施するにいたっていない。しかしながら学習意欲など、潜在学習との関連が考えられる諸概念に関するデータ取得は質問紙コホート研究の中で確認され、また学業成績など学校によって評価される諸変数とデータを共有することができるような協力体制を構築する形で研究プロジェクトは進行している。そのため、潜在学習課題の実施によって最終的に確認しようと計画している潜在学習能力と諸認知概念との関連性を検討する上で重要となる研究基盤の整備としては順調に進んでいるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の順序に従って一定の成果は出ているが、研究対象を小・中学生としたため、こどもに負荷をかけすぎないために、多くの配慮事項がある。こどもたちに負荷のかかる実施計画であると、こども本来の力を引き出すことができないため、こどもたちのどのような時間帯を使って実験を実施することができるか、模索しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
附属学校によって実験を実施する予定であったが、学校行事等の関係の中で実施が困難である可能性も予想される。 そうした場合、成人に対して実施せざるを得ない状況も想定したうえで研究を推進していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
附属学校における実験が実施できなかったため、その実験を補佐する者に対する人件費が支出できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
附属学校部での実験の実施の調整を行う。これが不可能だった場合は大学生を対象とした実験を行い、その協力謝金として使用する。
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