本研究では、言語産出過程のどの段階において、バイリンガルが言語選択を行うのか、言語選択のタイミングは言語の組み合わせによって異なるのかを調査した。用字系が同じローマ字の言語組み合わせのバイリンガルと、用字形が異なる言語組み合わせのバイリンガルを対象に、時間分解能に優れた事象関連電位を用いて、英語での線画命名課題実験を行った。用字形が同じ言語組み合わせのバイリンガルの場合、音韻レベルでも両言語が活性化されているのに対し、用字系が異なる言語組み合わせバイリンガルの場合、前者のグループのバイリンガルよりも早い段階で言語選択を行っている傾向が見られた。
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