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2013 年度 実施状況報告書

再認と隠蔽意図の測定によるポリグラフ検査の新たな可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24730640
研究機関科学警察研究所

研究代表者

松田 いづみ  科学警察研究所, 法科学第四部, 主任研究官 (80356162)

キーワード隠蔽意図 / 脳波 / 認知 / 情動
研究概要

目的 前年度の研究から,情報を隠しているときに脳波のlate positive potential (LPP)が生じることがわかった。しかし,このLPPが,隠蔽による認知負荷を反映しているのか,情動の喚起を反映しているのかはわからなかった。本年度は,隠蔽にかかわるLPPが情動処理と認知処理のどちらを反映しているのかを調べた。
方法 参加者21人が4つの課題をおこなった。各課題では,情動画像1枚と中性画像5枚が40回ランダムに提示された。中性画像5枚のうち,1枚が関連刺激であった。4つの課題は,関連刺激に課される認知負荷が違っていた。それぞれの認知負荷は以下のとおりである。(1) 画像をただ見ている,(2) 関連刺激が提示された回数を数える,(3) 関連刺激が提示されたら2つの異なる項目(月と日)を更新する,(4) 関連刺激を隠そうと意図する。情動刺激と中性刺激(関連・非関連刺激)に対する脳波のLPPを測った。
結果 情動刺激に対しては,中心-頭頂部優位のLPPが生じた。認知負荷が高まると,後頭部優位のLPPが生じた。隠蔽を意図したときには,後頭部優位のLPPが生じた。
考察 隠蔽にかかわるLPPは,認知負荷の増大を反映していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の研究成果をまとめ,論文として投稿した。5月に国際誌Clinical Neurophysiology(IF = 3.14)に受理された。

今後の研究の推進方策

隠蔽意図にかかわる脳波であるLPPは,認知負荷の増大を反映する後頭部LPPであることがわかった。しかし,後頭部LPPの発生源はまだわかっていない。今後は,電源解析ソフトウェアをもちいて,発生源を推定する。

次年度の研究費の使用計画

ほかの業務との関係で,予定していた国際学会への出張を取りやめたため。
データ解析に必要なソフトウェアと装置を購入する。必要に応じてデータ解析補助員を雇用する。また,国際心理生理学会で研究成果を発表する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Motivational Significance and Cognitive Effort Elicit Different Late Positive Potentials2014

    • 著者名/発表者名
      Matsuda I. & Nittono, H.
    • 雑誌名

      Clinical Neurophysiology

      巻: ? ページ: ?

    • 査読あり
  • [学会発表] 隠匿情報の提示は情動処理よりも認知処理を引き起こす―事象関連電位による検討―2013

    • 著者名/発表者名
      松田いづみ・入戸野 宏・小川時洋・常岡充子
    • 学会等名
      日本心理学会第77回大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      20130919-20130921
  • [学会発表] 後期陽性電位に含まれる感情関連成分と認知関連成分の分離2013

    • 著者名/発表者名
      松田いづみ・入戸野 宏・小川時洋・常岡充子
    • 学会等名
      第31回日本生理心理学会大会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      20130518-20130519

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公開日: 2015-05-28  

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