研究課題/領域番号 |
24730640
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
松田 いづみ 科学警察研究所, 法科学第四部, 主任研究官 (80356162)
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キーワード | 隠蔽意図 / 脳波 / 認知 / 情動 |
研究概要 |
目的 前年度の研究から,情報を隠しているときに脳波のlate positive potential (LPP)が生じることがわかった。しかし,このLPPが,隠蔽による認知負荷を反映しているのか,情動の喚起を反映しているのかはわからなかった。本年度は,隠蔽にかかわるLPPが情動処理と認知処理のどちらを反映しているのかを調べた。 方法 参加者21人が4つの課題をおこなった。各課題では,情動画像1枚と中性画像5枚が40回ランダムに提示された。中性画像5枚のうち,1枚が関連刺激であった。4つの課題は,関連刺激に課される認知負荷が違っていた。それぞれの認知負荷は以下のとおりである。(1) 画像をただ見ている,(2) 関連刺激が提示された回数を数える,(3) 関連刺激が提示されたら2つの異なる項目(月と日)を更新する,(4) 関連刺激を隠そうと意図する。情動刺激と中性刺激(関連・非関連刺激)に対する脳波のLPPを測った。 結果 情動刺激に対しては,中心-頭頂部優位のLPPが生じた。認知負荷が高まると,後頭部優位のLPPが生じた。隠蔽を意図したときには,後頭部優位のLPPが生じた。 考察 隠蔽にかかわるLPPは,認知負荷の増大を反映していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の研究成果をまとめ,論文として投稿した。5月に国際誌Clinical Neurophysiology(IF = 3.14)に受理された。
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今後の研究の推進方策 |
隠蔽意図にかかわる脳波であるLPPは,認知負荷の増大を反映する後頭部LPPであることがわかった。しかし,後頭部LPPの発生源はまだわかっていない。今後は,電源解析ソフトウェアをもちいて,発生源を推定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほかの業務との関係で,予定していた国際学会への出張を取りやめたため。 データ解析に必要なソフトウェアと装置を購入する。必要に応じてデータ解析補助員を雇用する。また,国際心理生理学会で研究成果を発表する。
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