ポリグラフ検査(隠匿情報検査)は,犯罪捜査において,被検査者が事件情報を知っているか否かを生理反応から調べる検査である。隠匿情報検査は認識の検査であるが,被検査者が事件情報を隠している可能性があるときのみ実施される。本研究では,検査中の隠蔽意図を操作することで,認識に関連する生理反応と隠蔽に関連する生理反応を特定した。被検査者が事件情報を認識しているときは,その情報の有意味性により,定位反応が生じた。一方,情報を隠そうとしているときは,定位反応をモニターし抑制する処理が生じた。これらの結果をふまえて,隠匿情報検査の認知処理過程モデルを提案した。
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