セロトニンはこれまでうつ病や注意欠陥多動性障害などの衝動性を伴う精神疾患との関連が報告されている。本研究では報酬獲得課題遂行中のセロトニンニューロン活動を光刺激により人為的に操作する技術を用い、セロトニンの行動制御における機能的役割について検証した。その結果セロトニンニューロン活動を活性化させることで、報酬の為の自制的な行動制御を維持する辛抱強さが増進されることが示唆された。これは衝動性を生み出す神経基盤の中でこれまで不明瞭であったセロトニンニューロン活動の機能的役割において、報酬のための自制的な辛抱強さとの明確な因果関係を示すことに成功した最初の報告となる。
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