本研究の目的は、近代ドイツにおける「衛生学・衛生教育」の成立と展開過程を歴史的に分析し、それが教育の理論、実践、制度に与えた影響を医学史および国際比較史的な視点から明らかにすることにある。そのために18世紀後半に出版され、世界各国においても広く利用されたた衛生学のテキストであるファウスト『衛生問答』に注目し、その内容、活用事例、改訂の内容分析等について分析を進めた。これによって教育史と医学史とを架橋・融合する研究領域を開拓するとともに、「衛生」および「医学」の視点から教育をとらえる研究視座の獲得を目指した。
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