1年目、2年目の調査結果とこれまでの研究成果を踏まえ、ウズベキスタンのタシケント国立教育大学で開催された国際会議(2014年11月)において、ウズベキスタンにおける成人教育や生涯学習、Social Pedagogyについての研究報告を行った。会議においては、旧ソ連圏の研究者を中心に教育研究交流を行い、その後、ロシアにおける国際会議参加や現地調査などにおいても研究交流を継続している。 国際成人教育ネットワークについての調査では、特に、国際成人教育協議会(ICAE)とアジア・南太平洋成人教育協会(ASPBAE)を対象とした調査を実施した。両団体の活動に密に関わっているフィリピンの成人教育の実践家に聞き取り調査を実施し、現在の世界の成人教育団体の動向について分析を行った。 本年度は研究期間の最終年度にあたるため、本研究の総括を行い、その成果を研究発表や論文などにまとめている。さらに、研究成果を広く社会に還元するため、拙著の英訳版 "Mahalla and its Educational Role" のなかで、現在の中央アジアにおける社会教育についての検討を行っている。また、今後の出版に向けての準備を進めており、科研による成果をまとめた、中央アジアの社会教育・生涯学習についての書籍の刊行を計画している。同書籍では、本科研において実施した調査結果に基づく成人教育の国際ネットワークの現況、中央アジアにおける社会教育・生涯学習や成人教育の施設、専門職、制度などについて検討を行う予定である。
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