本研究はこれまで焦点の当てられることのなかった、地方在住のリスクを抱える若者の移行過程の聞き取り調査である。調査において特に注目したのは、これまでの移行調査では扱われることのなかった暴力や性の問題である。暴力や性の問題は、①当事者との合意が形成しづらく、②バッシングに転化しやすいことからこれまで記述されることがなかった。本調査研究では、そうした問題が起こるのかを、かれらの資源の枯渇状況を描くとともに、当事者の合意を経ながら記述をすすめることで、貧困研究においてえがかれることのなかった、暴力や性の問題を記述することができた。
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