本研究では、センゲの「学習する組織」論、スピラーンらの「分散型リーダーシップ」論をもとに自律的学校改善の理論的な枠組みを設定し、日米の教育ガバナンス改革に見られる学校改善の取り組みと、そこに見られる教師の学習の質について検討をおこなった。その結果、第一に、米国の事例から、教育ガバナンスの中に教師の組織学習位置づけ、それを支援し統治過程に位置づけることによって、新自由主義教育改革を相対化する教育の正統性と正当性の担保が図られること、第二に、日本の事例から、教師の「学習する組織」は、教師が学校の文化に徒弟的に参加し、状況的に学ぶ過程を通じて形成され、持続的に発展することが明らかとなった。
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