本研究では、明治期から昭和初期の学校教育における子どもと教師の「修養」を、木下竹次、澤柳政太郎、蘆田惠之助の思想と実践に焦点を当てて、明らかにすることを目的とした。奈良女子大学附属小学校が所蔵する奈良女子高等師範学校時代の史料を収集したところ、当初の予想を遙かに上回る分量の史料を得ることができたため、計画通りに研究が進まなかった。しかし、研究計画では木下個人に焦点を当てた研究を進める予定であったが、奈良女高師附小開校時(眞田主事)から木下が主事を辞任するまでの長い時期を対象にして、学校としての「修養」の取り組みを明らかにする視座を得ることができた。
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