研究課題/領域番号 |
24730675
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
吉田 重和 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (30549233)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | オランダ / 教育 / オルタナティブスクール / 教育監査 / 学力テスト / 教育の質 / 教育の自由 |
研究概要 |
多様な教育理念や方法を制度的に承認した上で、全体的な教育の質をも維持する公教育制度を構築することは可能か。本研究は、この問に答えるべく、日本とオランダ両国の事例を取り上げ、公教育制度とオルタナティブスクールの在るべき関係性について探るものである。 平成24年度は、オランダのオルタナティブスクールの制度的基盤である教育監査制度について、その内実の変化に着目して分析を行った。先行研究により、オランダの教育監査は現在、「すべての学校を対象とする一律的な監査」から、「質の低い学校に対し集中的に資源を投入し改善へと導くための監査」へと質的に変化を遂げつつあることが明らかになっている。監査の質的な変化により、オランダの公教育制度とオルタナティブスクールの関係性にも相応の変化が出てくると考えられる。そのため、教育監査制度を「公教育の質を保証するための社会的装置」と改めて位置づけ、近年新たに導入された「重点実施の原則」に着目しつつ、制度の経年的な変化を追い、その特徴を明らかにした。 上記研究の主たる成果として、1)「重点実施の原則」が段階的に監査プロセスに反映されてきていること、2)「リスク分析」が現状の監査プロセスにおいて重要な役割をはたしており、各学校の自己評価がその際に積極的に活用されていること、の二点をを挙げることができる。これはすなわち、多様な教育実践を保証するための方策の一端とその変化が新たに描き出されたことを意味するものであり、日本における学校評価及び第三者評価の在り方を検討する一助ともなるものでもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入手できた史資料の関係から、オランダのオルタナティブスクールの制度的基盤である教育監査制度の検討と、日蘭両国のオルタナティブスクールの特性の把握に予定以上の時間を要した。平成25年度には、予定されているオルタナティブスクール関係者のインタビュー調査を前倒しして実施するなどして、この遅れを取り戻すこととしたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(平成25年度)は、日本のオルタナティブスクールの制度的位置づけを文献研究及び社会的調査により整理した後、日本とオランダ両国のオルタナティブスクール関係者を対象に、半構造的インタビュー調査を行う。本インタビュー調査により、両国のオルタナティブスクールの実態の一端が明らかとなることから、今年度の研究成果と併せて、公教育制度とオルタナティブスクールの関係性についてモデル化することを企図したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究に必要な史資料を収集する段階において、一部史資料の購入価格が想定より安かった。繰り越した研究費については、次年度(平成25年度)研究を遂行するにあたり、適切に使用することとしたい。
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