前年度における研究計画の実施状況と本年度の研究実施計画に基づき、台湾統治初期(1895年~1898年)の台湾総督府による「学校」設置政策に対する地域住民の対応について明らかにするため、台湾の国史館台湾文献館所蔵の『台湾総督府公文類纂』所収の公文書中、学校設置関連文書や現地住民(漢民族、先住民族)の人々の動向にかかわる文書の調査・分析をおこなうとともに、台湾各地の学校関連文書の調査・整理・分析をおこなった。 具体的な研究成果は以下のとおりである。①台湾総督府による「学校」設置政策の展開について、資料調査・分析による成果を「「国家教育」論の「植民地教育」への変容―1890年代を中心に―」というタイトルで、台湾の国立台湾大学で開催された「第4回日本研究年会「国際日本研究の可能性を探る―人文・社会・国際関係―」国際シンポジウム」で発表した。②「学校」設置政策とかかわって重要な学校儀式について、「日本統治初期における学校儀式の形成―「六氏先生」をめぐって―」という発表を天理台湾学会第23回研究大会にておこなった。③「学校」設置政策に対する地域住民の受容のありようについて、「植民地台湾への教育勅語の「導入」と「受容」―学校儀式に着目して―」という発表を天理大学中国文化研究会2013年度第4回公開研究会でおこなった。本研究成果については、「植民地台湾への教育勅語の「導入」と「受容」―学校儀式に着目して―」として『中国文化研究』第30号(2014年3月)に掲載された。なお、これらの研究成果を含む研究成果を著書として出版する計画を進めている。
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