研究課題/領域番号 |
24730688
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研究機関 | 東海学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
古里 貴士 東海学院大学短期大学部, その他部局等, 講師 (00610271)
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キーワード | 公害教育史 |
研究概要 |
2013年度は概ね以下の三点について取り組んだ。 (1)公害教育の現状把握を行った。現在、全国に公害資料館等が建設されており、2013年12月には「公害資料館連携フォーラム」が新潟で行われ、新潟、熊本、三重、大阪など全国で公害教育に取り組む実践家が一堂に介した。このように全国各地の公害資料館が一堂に介し、現状を交流しあう取組は初めての試みであり、本フォーラムの分科会「公害資料を活用した公害・環境教育にむけて」に参加し、現在取り組まれている公害教育の課題などの現状を把握した。また、2013年11月には大阪で開催された「ポスト3.11社会の環境教育について考える」に参加し、西淀川で取り組まれている公害教育の歴史と現状について情報収集を行った。 (2)病弱教育史についての調査を行なった。昨年度の四日市における公害教育史の調査では、「公害から子どもを守る母の会」の実践について調査・報告を行ったが、母の会の取り組みの中に養護学校建設運動があり、その運動の展開と日本における病弱教育の政策的な動向との関わりがあることが昨年度の調査で明らかになった。そのため、今年度は母の会の運動をより立体的にみるために、病弱教育史についての調査を行なうことにした。病弱教育史は教育史研究の中でも蓄積の薄い研究分野であるが、2000年に『日本病弱教育史』という冊子がまとめられている。本冊子を基に、日本の病弱教育史の動向と三重県の病弱教育史の動向について把握した。 (3)社会教育学習・実践論の理論的な検討を行った。約30年の社会教育学習・実践論の動向について「要求・必要」論の動向を中心に日本社会教育学会の年報を基にたどった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究以外の雑務に時間を費やしたこともあり、2013年度に計画していた磯津寺子屋に関わった教員へのインタビュー等の関係者へのインタビューや関連する資料の収集などに取り組むことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度に取り組む予定にしていた磯津寺子屋に関わった教員へのインタビュー等の関係者へのインタビューを重点的に行い、紙媒体での資料では見えづらい公害教育実践上での課題などを浮き彫りにする。また、今年度は最終年度に当たるため、9月に開催される日本社会教育学会で研究成果を報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度に予定していたインタビュー調査及び資料収集に取り組むことができなかったため、交通費及び宿泊代等が次年度へ持越しとなった。 2013年度に取り組むことができなかったインタビュー調査及び資料収集にかかる交通費及び宿泊代とインタビューデータの文字起こしを業者へ依頼する費用として使用する。
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