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2012 年度 実施状況報告書

明治期小学校の試験をめぐる言説にみる能力観・教育観に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24730694
研究種目

若手研究(B)

研究機関弘前大学

研究代表者

石岡 学  弘前大学, 人文学部, 研究員 (00624529)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード試験 / 選抜 / 能力観 / 教育観 / 明治期 / 小学校
研究概要

平成24年度においては、申請書の研究計画に基づき、作業を進めた。
まず、24年度の前半では、①明治期小学校の試験に関する先行研究、②試験に関する理論・モデルに関する先行研究、についての調査・収集を行った。これらの資料の調査・収集を完了したのち、当該資料について次の観点から整理・分析を行なった。
①については、言説分析を課題とする本研究の土台となる基礎的知識として、明治期小学校の試験を規定していた制度・法令の変遷、あるいは試験の実態について整理を行った。
②については、本研究が分析軸として重視する「絶対試験」と「相対試験」(それぞれ、概ね「資格試験」と「選抜試験」に該当)というモデルの有効性という観点から、試験という事象を分析するにあたっての理論枠組みの再検討を行なった。なおこの点に関しては、狭義の教育研究のみならず、経済学(ex.井上寿郎『二つの「競争」』講談社、2012年)や組織論(ex.日置弘一郎『「出世」のメカニズム』講談社、1998年、太田肇『選別主義を超えて』中央公論新社、2003年)の知見も積極的に採り入れることに注力した。こうした選抜モデル・評価モデルに関する先行研究の調査は、今後も継続して行っていく考えである。
以上の作業に並行しつつ、平成24年度においては、研究の主たる資料となるテキスト史料の調査・収集を行なった。申請書に挙げたもののうち、『文部省年報』の「府県年報」および「学事巡視功程」については、収集を完了した。また、『大日本教育会誌』(のち、『大日本教育会雑誌』『教育公報』と改題)『教育時論』『教育報知』についても、すでに調査は完了し、収集作業も順調に進捗している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書において立案した研究計画では、平成24年度の前半に先行研究の調査・収集を行い、同年度後半にかけてその整理・分析を行うことを予定していた。また、これと並行して、平成24年度の後半では、『文部省年報』ほか明治期小学校の試験をめぐる言説の調査・収集を行うことを予定していた。
実際には、上記「研究実績の概要」にある通り、いずれの作業もほぼ当初の計画通り進捗しており、「おおむね順調に進展している」との評価が妥当と考える。ただし、選抜モデル・評価モデルの検討については、当初の見通しよりも問題を深く掘り下げる必要性が生じたため、この点に関しては次年度以降も引き続き取り組むべき課題として残されている。

今後の研究の推進方策

平成25年度においては、申請書の研究計画に則り、平成24年度の後半に調査・収集を行った史料の分析を行っていく。研究目的に照らし、「言及されているのは絶対試験か相対試験か」「試験の利点として語られていることは何か。欠点として語られていることは何か」「言説において前提とされていることはなにか(言説発信者の価値観、社会認識等)」といった問題視覚に基づき、分析を進めていく。
また、申請書の研究計画に従い、平成25年度の後半では、全国的教育雑誌の分析によって得た知見との比較のため、各地方の教育会が刊行していた教育雑誌についての調査・収集を行っていく。
これらの作業に加え、選抜モデル・評価モデルに関する先行研究の調査・整理を行い、平成25年度中にはこの作業を完了させる予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 「秋入学」構想に対する「態度保留」が意味するもの2012

    • 著者名/発表者名
      石岡 学
    • 雑誌名

      人文社会論叢 社会科学篇

      巻: 28 ページ: 103-121

  • [雑誌論文] 佐々木享氏の書評へのリプライ2012

    • 著者名/発表者名
      石岡 学
    • 雑誌名

      日本教育史研究

      巻: 31 ページ: 139-143

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公開日: 2014-07-24  

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