研究課題/領域番号 |
24730695
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
杉田 かおり 筑波大学, 人間系, 特任研究員 (40616843)
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キーワード | 教育学 / 教育政策 / シティズンシップ教育 / 連合王国 / アイルランド |
研究概要 |
連合王国を構成する4つの地域におけるシティズンシップ教育政策・実践の共有化の動向を明らかにするため、平成25年度は関連諸地域として、①アイルランド、及び②ヨーロッパの動向に焦点をあてた調査研究を行った。 ①については、昨年度の研究結果を踏まえ、Five Nations Network(以下、FNN)にアイルランドが加わった背景を調査した。具体的には、ダブリンにあるCurriculum Development Unit(以下、CDU)を訪問し、ヒアリング並びに情報収集を行った。その結果、アイルランドのシティズンシップ教育政策・実践は、北アイルランドとの関連を強くもちながら実施されていることがわかった。このことから、FNNにアイルランドが参加したのはある意味で自然な流れだったということが示唆された。 ②については、CiCe(Children’s Identity and Citizenship in Europe)の年次会合に参加し、ヨーロッパレベルでの動向を把握することとした。この会合にはヨーロッパ各地から研究者・実践者が参加しており、ヨーロッパレベルでの研究・実践交流の活発さが伺えた。シティズンシップ教育の実践レベルについては、「連合王国構成地域」という枠組みを前提とした特徴の把握は困難であるように思われた。ただし、政策レベルについては引き続き検討する余地があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
連合王国を構成する4つの地域におけるシティズンシップ教育政策・実践の共有化が主たるテーマであり、Five Nations Network(以下、FNN)の活動を手がかりとして、それぞれの地域における取り組みに関する基礎的情報を収集し、関連を見出そうとしているところである。 2年目は、北アイルランド及びアイルランドのシティズンシップ教育政策・実践に焦点を当てる予定であったが、事前の調整により、アイルランドを調査対象とすることになった。調査対象をしぼったものの、FNNに関する情報を得るという点では成果があった。特に、アイルランドにおいてFNNの活動に中心的に関わっているCurriculum Development Unit(以下、CDU)を訪問することができ、FNNの活動とのかかわりについて連合王国以外の地域からの視点を把握することができた。また、アイルランドと北アイルランドの連携についても話を伺うことができ、連合王国という枠にとらわれない、アイルランド島におけるシティズンシップ教育政策・実践の共有化について独自の関連がみいだせる可能性が出てきた。両者の関係に関する詳細な調査については今後の課題となる。 ただし、アイルランドについては、教育法制にかかわる全般的な情報の収集がまだまだ不足している。シティズンシップ教育政策・実践の検討を中心にすえつつ、基礎的な枠組みを把握する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、これまで2年間に収集した情報及び資料を整理し、現時点での結論について検討する。連合王国構成地域におけるシティズンシップ教育政策・実践の動向を把握するために、FNNの活動に着目してきた。そこには連合王国にとどまらない、アイルランドを含むより多元的な枠組みが存在していた。連合王国構成地域及びアイルランドを含む、5つの地域すべてにおいて調査を行ったわけではないが、検討の素材となる情報及び資料の収集を継続してきた。今後は、スコットランド及び北アイルランドにおける現地調査が必要となることが予想されるが、現時点の資料をもとに一定の結論を導くことを優先的な課題とする。
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