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2013 年度 実績報告書

子どもの権利尊重の教育実践のための教師・保育者研修プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24730697
研究機関埼玉大学

研究代表者

小田倉 泉  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10431727)

キーワード子どもの権利 / J.コルチャック / 対話的 / 価値観の共有
研究概要

本研究は、子どもの権利尊重に基づく教育実践を遂行するための、研修プログラムを作成することを目的として行った。本研究で言う子どもの権利尊重とは、J.コルチャックの子どもの権利思想に基づくもので、子どもであるがゆえに尊重されえない「子どもの人間としての権利」である。本研究ではコルチャックの思想に基づく実践として高い評価が報告されたイスラエルのアヴィハイル・スクールにおいて、その実践を調査し、今日の子どもの権利尊重実践のための研修プログラムを作成した。
子どもの権利尊重実践のためのポイントは、①子どもの権利をいかに具体化するかを、教育実践の場において明確に共有することである。コルチャックの権利思想が示す「子どもの権利」の理念を教師が統一された権利観として共通理解することである。②共有された権利観を実行するための方法を、それぞれの教育現場の子どもの実態に即した具体的な方法として編み出すことである。本研究から得られた子どもの権利を尊重する最も基本的な実践方針とは子どもとの「対話」である。
研修プログラムは、大きく次の3段階で構成した。第1段階として、個々の大人の子どもの権利観を醸成すること。特に「権利」を「義務」との対立概念としてではなく、責任ある市民に成長するための教育環境のもとで育てられることへの権利として権利観を構成することに主眼を置く。第2段階は、教師間の「権利観」を共有することと、教育の方向性を共有すること、「価値観の共有」である。第3段階は、理念の具体化のためのアイデアの産出である。この段階において、教師間の協働作業が重要であり、多くのアイデアを出し合う「教師間の対話力の形成」が重要となる。以上の段階による研修が、既成の権利実践方法によるのではなく、各現場の子どもの実態に即した実践を行う一助となることが期待される。今後は、この研修を臨床的に研修していくことが課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 現職保育士・幼稚園教諭の研修に関する考察2013

    • 著者名/発表者名
      奥泉 敦司 , 小田倉 泉 , 首藤 敏元 , 志村 洋子
    • 雑誌名

      埼玉大学教育学部教育実践総合センター紀要

      巻: 12 ページ: 99‐106

  • [学会発表] 報告1. 「イスラエルにおけるコルチャック」(2012"コルチャック年"とコルチャック教育・研究の動向,ラウンドテーブル9

    • 著者名/発表者名
      小田倉 泉
    • 学会等名
      日本教育学会
    • 発表場所
      一橋大学(東京)
  • [学会発表] J.コルチャックの理念に基づく対話的教育実践の試みに関する研究 : アヴィハイル・スクールの取組から

    • 著者名/発表者名
      小田倉 泉
    • 学会等名
      日本教育学会
    • 発表場所
      一橋大学(東京)

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公開日: 2015-05-28  

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