本研究は、ニューカマーの若者たちが多く在籍する定時制高校及び地域社会との協働実践研究を通じて、進学や就労といった移行過程に向かう彼女・彼らの「学び」の論理を検討した。その「学び」のプロセスは、2つの側面が互いに撚り合わさって構成されていた。まず、自分たちの未来を投影することができる多様な「生き方のモデル」と出会い、必要に応じて新たな「生き方のモデル」を形成しようと試みていく側面である。そこに社会貢献や課題解決といった実際的な活動の側面が結びいていくことで、地域社会が文化的多様性を受け入れうる存在であることに気づくと同時に、その担い手となる自分たちの可能性を学んでいく実践展開が生まれていった。
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