本研究は、バングラデシュ農村部で拡充された学校教育制度と職業の接続の関係性を追求するため、4村落における10年間の追跡調査を実施した。その結果、以下3点を明らかにした。 ①10年前に学校に通っていた子どもたちの追跡調査において、中等教育修了にふさわしい職業につけた例はごく一部のみであった。②にもかかわらず、親の学歴主義の傾向はより一層強まっており、教育に投資する親が増加していた。③政府は、教育と職業の接続について、特別な対策をとっていないため、今後政策的措置がとられなければ、学歴保有者が適切な職業を得られない可能性が出てくる。
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