本研究は、大学と企業に対する質的ケース・スタディにより、以前実施した中等学校調査の結果との整合性を検証した上で、多角的な視点からイギリス社会における「アカデミック-職業ディバイド」の実態と諸要因を解明することを目的とする。 調査により明らかとなった点のうち、主要なものは次のとおりである。まず、大学調査では、トップ20圏外の大学においても上位の大学と同様に職業資格よりもアカデミック資格が重視されることなどが明らかとなった。次に、企業調査では、中等学校と企業の地理的距離が協働の取り組みに影響を与えることなどが明らかとなり、以前実施した中等学校教員へのインタビュー調査の結果を裏付けるものとなった。
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