本研究は、1990年代に教育の地方分権化を経験したフィンランドを事例として、学校運営や教育内容などにおける学校設置者(自治体)の関与のあり方と度合い、すなわち地方と学校との関係が、学習成果に与える影響を分析することにより、教育の地方分権化の影響とインパクトを中長期的視点から検証することを目的とするものである。その結果、(1)地方と学校の関係は都市部とその他の地域とで大きく異なっていること、(2)それによる違いは学校経営などについては大きいこと、(3)しかしながら、学習成果についてはさほど明確な影響が観られなかったこと、が明らかになった。
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