研究課題/領域番号 |
24730714
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
石川 裕之 畿央大学, 教育学部, 准教授 (30512016)
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キーワード | 韓国 / 才能教育 / 教育制度 / 競争原理 |
研究概要 |
本研究の2年目となる今年度は、引き続き関連文献・資料の収集・分析を進めるとともに、韓国京畿道教育庁の協力を得て現地訪問調査を実施した。調査対象としたのは道内の各種才能教育機関(英才学校、大学附設英才教育院、教育庁英才教育院、英才学級各1つ)である。その結果、以下のことが明らかになった。第1に、現在韓国の才能教育の実施権限は政府から各市・道へと委譲されていた。これによって地域の特色を出した才能教育を実施できるようになった反面、権限委譲とともに政府からの財政支援もなくなったために財政難に陥り、才能教育行政および才能教育機関の安定的運営という点で課題も出ている。第2に、同教育庁では科学職業教育課が才能教育実施に関する責任部署となっていた。才能教育プログラムの数学・科学分野偏重はこれまでも指摘されていたが、1地方の事例に過ぎないとはいえ教育行政においても数学・科学分野の管轄部署が責任部署となっていることが判明し、韓国の才能教育の数学・科学分野偏重をさらに裏付けるものとなった。第3に、才能教育機関の監督・指導だけでなく、才能教育担当教員の研修も同教育庁がおこなっており、英才教育振興法施行から10年あまりの間に地方でも体系的な才能教育実施体制が整備されてきていることが分かった。第4に、才能教育機関への入学志願状況や志願者の学力レベルなどから、これまでの研究で指摘されてきたように、各種才能教育機関の間に英才学校を頂点とした一定の序列が存在していることが確認できた。なお、同教育庁も才能教育の効率向上や継続性・連続性を高めるためにむしろ各種才能教育機関の階層化・構造化を進める姿勢をみせていた。第5に、道内の才能教育機関間の連携や交流は十分といえないまでも、いくつかの連携プログラムの事例が生まれていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は3年計画の2年目であるが、本年度の主要な目標であった現地訪問調査も実施するなど、研究の目的はおおむね順調に達成されている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に則り、引き続き各地方の教育庁や才能教育機関における現地訪問調査によって、地域レベルでの才能教育の実施状況を探っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
諸事情により予定していた平成25年6月の世界比較教育学会第15回大会(ブエノスアイレス)への参加が不可能となったため、その分の旅費が残った。 研究計画書に示している平成26年度の研究経費への使用に加え、平成26年9月に開催されるヨーロッパ才能児会議第14回大会(リュブリャナ)に参加し、才能教育の先進事例と最新の理論について情報収集をおこなう。
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