本研究では李明博政権以降における韓国の才能教育の展開に焦点を当て、韓国の才能教育の実態について調査・分析をおこなった。李明博政権以降、韓国では才能教育の実施権限の地方委譲が進められており、それにともない才能教育関連事業に対する政府から地方への財政的支援も急減していることが明らかになった。その結果、地方では才能教育の政策的優先順位を引き下げたり、原則無償であった才能教育プログラムの有償化も検討されていた。才能教育の実施権限の地方への委譲は、地域のニーズに応じた才能教育プログラムの実践開発を促進する一方で、地方の財政状況によっては才能教育機会の地域間格差の拡大をもたらすおそれがあるといえる。
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