研究課題/領域番号 |
24730721
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60344743)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 技能指導 / 遠隔学習 / スマートフォン / センサー / 技術教育 |
研究概要 |
今年度は,技能の遠隔練習を可能にするシステムの開発を予定通り行うことができた。研究成果については,国内学会および国際学会にて公表している。具体的な成果としては,センサ内蔵スマートフォンによって,技術教育におけるのこぎりびき動作スキルの自動採点が可能になり,鉋がけについてもスキルの評価が可能になりつつある。試行実践として,実際の中学校にて本システムを用いて試験的な授業を行った。その結果,本システムは複数台のスマートフォンの同時使用が可能であり,かつ学習者のスキルを正確にセンシング・評価することができ,遠隔からも学習者のスキルレベルが把握できる見込みを持てることが明らかとなった。 のこぎりびきでは,のこぎりを動かした回数,作業時間,引き込み角度,左右への刃の傾き,刃の動きの直進性等を評価することができ,それらの結果をもとにして学習者を順位付けすることに成功した。 かんながけでは,加速度センサおよびジャイロセンサを用いて,熟練者の動作モデルをスマートフォンによって取り込み(キャプチャし),その動きをグラフにて可視化することに成功した。学習者の動きも同様にグラフにて可視化することができるため,熟練者の動作と学習者の動作がどの程度ずれているのかを感覚的にも把握することができるようになっている。 試行実践では,全国から授業参観希望者が参加し,本研究の方法と効果について理解して頂くことができた。 今年度の取り組みの新規性および有用性が評価され,新聞メディア2社および地元タウン誌に取り組みについて記事が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,システムの開発までを予定していたが,試行試験まで行うに至ったため,計画以上に進展したと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,システムの作り込みを継続すると共に,技能の学習・習得状況を遠隔でより具体的に把握するアルゴリズムの開発と実装について研究を行う。 センサ内蔵スマートフォンが多様化しているため,動作環境の検証を行う。 前回の検証実験の結果を踏まえて,画面インタフェース設計の再考と,評価情報を充実させるためのアルゴリズムを開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
動作環境検証のために,バージョンや仕様の異なる端末を用意し,各機種でのセンサの特性などを分析する。前回の検証実験の結果を国際学会にて公表する。学習者の学習状況を把握するための装置として,解像度の高いカメラとネットワーク装置,および結果画面を指導者が把握するためのタブレット端末などを用意し,第2フェーズの実証実験環境を構築し始める。研究の進展の程度によっては,学習者の生理情報から学習状況を把握できるようなアプローチについても研究を進められる可能性がある。
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