研究課題
最終年度の主たる成果は,釘打ちにおける玄翁動作習得システムと鉋がけ動作習得システムの精度向上と,技能習得のための学習管理システム(Practice Management System:PLMS)の完成である。玄翁動作習得システムについては,習得動作が比較的単調であることから学習者への動機付けを高めるためにゲーミフィケーションの要素を導入した。鉋がけ動作習得システムについては,単なるシミュレーションツールとしてだけではなく,実際の鉋にスマートフォンを填め込むアタッチメントから設計・開発し,指導者が不在であっても実際の鉋がけ動作を熟練者の動きモデルと比較することが可能になった。研究全体としては,これまで教育分野において動作技能のメタ認知および自己フィードバックが困難とされていたが,本研究のスマートフォンを用いた簡易的なシステムによって,動作技能の向上が見られたほか,技能習得に対するモチベーションの向上も見られ,一定の効果をあげることができたと言える。本研究を構成する要素は3つあった。1つ目の,空間的認知を向上させるデジタル教科書の作成については,AR(拡張現実感)技術を用いて「飛び出す教科書」の開発を行うことができた。2つ目の身体動作の定量的な把握とフィードバックについては,汎用的な市販されているスマートフォンの加速度センサ,ジャイロセンサ等を利用することで,作業者の動作を数値化して,その理想値とのずれを計算することで動作を改善するアドバイスを行えるようになった。3つ目の技能習得の学習管理システムについては,前述のPLMSを開発し,鋸挽き,鉋がけ,釘打ちにおける作業者の動作がどのように改善されてきたかを折れ線グラフ,レーダーチャートおよび表形式で可視化することが可能となった。開発したシステムは,実際の中学校にて実証実験を行ったほか,成果は国際会議にて公表することができた。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
In Proceedings of World Conference on Educational Multimedia, Hypermedia and Telecommunications
巻: 1 ページ: 1001-1009
IEEE 3rd Global Conference on Consumer Electronics
巻: 1 ページ: 323-326
10.1109/GCCE.2014.7031316
http://staff.miyakyo-u.ac.jp/~andy/