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2012 年度 実施状況報告書

社会科のカリキュラム設計力育成に向けた教師教育の改善:米国のシステムに学ぶ

研究課題

研究課題/領域番号 24730725
研究機関東京学芸大学

研究代表者

渡部 竜也  東京学芸大学, 教育学部, 講師 (10401449)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード国際情報交換
研究概要

本研究は、社会科のカリキュラム設計力育成を教師教育でいかに育てるのかという問題意識の下で研究を進めていった。この問題を考えるにあたって、そのモデルとしたのは国内外、特に米国の教員養成論や教育論、そして教師教育である。平成24年度は次のような研究を進めた。
(1)国内外の社会科カリキュラム設計能力を持つ教師へのインタビュー調査・・・沖縄で実際に政治教育カリキュラムを開発した沖縄大学政治学教授島袋氏とその協力した教員にインタビュー調査を行い、問題意識やアイデアを得ることがどうして出来たのか、聞き取りをした。米国において実際に歴史カリキュラムの開発を行っているバンスレッドライト氏にインタビューを行なった。オレゴン州ポートランドの法教育教材開発センターを訪問し、そのカリキュラム教材作成の際のアイデアやヒントをどこから得たのかを聞き取りした。
(2)米国教師教育論の動向についての調査・・・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のグッドラッド氏の大学教師教育カリキュラムと(非教科主義、非教育方法主義)教師教育論について調査した。南フロリダ大学のソーントン氏の社会科教員養成論(教科主義、カリキュラム+授業設計に重点を置いた教師教育論)について詳細を調査した。
上記調査から、カリキュラム設計には、どこかで一度、カリキュラム教材を実際に作成する経験をすることがカリキュラム開発能力の向上には欠かせないことが分かった。また、米国社会科教育学会(NCSS)は、教師のカリキュラム作成能力を高めるために、「カリキュラム・スタンダード(=カリキュラム作成のための基準となる指標)」を作成している。今後はこの部分に注目する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

米国において、社会科カリキュラム作成能力を高めるための手立てとしては、幾つかの理論は存在するが、その実施は部分的なものに留まっていることが判明した。
また米国(+日本)において実際にカリキュラムを開発する能力のある人の多くは、大学でカリキュラム開発の理論について、特に学んでいないことがわかり、彼らのカリキュラム開発能力は、現場に出てから身につけている傾向があることが分かった。
教員養成(学部教育)としてのカリキュラム設計力はいかにつけていくのかについて研究するには、もう少し違った手立てが必要になりそうだ。

今後の研究の推進方策

米国において、社会科カリキュラム作成能力を高めるための手立てとしては、幾つかの理論は存在するが、その実施は部分的なものに留まっていることが判明した。
また米国(+日本)において実際にカリキュラムを開発する能力のある人の多くは、大学でカリキュラム開発の理論について、特に学んでいないことがわかり、彼らのカリキュラム開発能力は、現場に出てから身につけている傾向があることが分かった。
教員養成(学部教育)としてのカリキュラム設計力はいかにつけていくのかについて研究するには、もう少し違った手立てが必要になりそうだ。
今後は、理論面に重点をおき、カリキュラム開発に注目した教師教育論にはどのようなものがあるのか、そしてその実現に向けて大学がどういったことに取り組もうとしているのかを明らかにする予定である。

次年度の研究費の使用計画

昨年は、米国訪問を数回行ったため、旅費がかさみ、パソコンなどの機具の購入が出来なかった。今年は、昨年までに収集した情報をまとめるためにもパソコン(15万円相当)を購入する予定である。また集めた情報のいくつかは英文であるため、学生に翻訳などの補助をしてもらう予定でいるので、15万円相当の出費を計画している。
また成果については、日本社会科教育学会(山形大学)で発表する予定であるので、学会発表費用として旅費と印刷費などを含んで7万円、また報告書をまとめる予定でいるので、報告書作成費10万円を予定している。残りは雑費となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 我が国の社会科授業研究の特質とその意義2013

    • 著者名/発表者名
      渡部竜也
    • 雑誌名

      日本教科教育学会誌

      巻: 35(4) ページ: 89-94

    • 査読あり
  • [図書] 教師のゲートキーピング:主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて2012

    • 著者名/発表者名
      スティーブン・ソーントン著(渡部竜也ほか訳)
    • 総ページ数
      263
    • 出版者
      春風社

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公開日: 2014-07-24  

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