研究課題/領域番号 |
24730726
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
松田 菜穂子 (勝亦 菜穂子) 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (90625667)
|
キーワード | 授業研究 / 教師の信念 / 授業観 |
研究概要 |
1)アフリカ地域「算数数学授業評価セミナー」の過去5カ年分の信念調査の分析;質問紙の記述部分の分析を行い、「理想とする授業観」の顕在化を試みた。その結果、参加者集団の傾向としては、研修前後において関係的理解を促すものが良い授業であるとし、子どもによる推論や探求を重視しており、特に研修後においては、推論や探求の意味付けに変容がみられたことが明らかとなった。 2)アフリカ地域「算数数学授業評価セミナー」の過去5カ年分の授業評価コメントの分析;自国の問題解決型授業についての評価コメントを分析した結果、授業の観察と考察の対象は「教師」の用いた行為のみに焦点があたりやすいということが明らかとなった。 3)平成25年度アフリカ地域「算数数学授業評価セミナー」の参加者の発言等データ収集;6年目となるセミナーにて、自国の問題解決型授業への評価コメントと、日本にて日本式の問題解決型授業を参観した後の協議会の発話データを収集した。 4)フィリピンにおける問題解決型授業の様相の実態調査;平成25年5月に、フィリピン大学UP-NISMEDにて実施された、授業研究導入ワークショプ及び問題解決型授業の研究授業の立案の議論を傍聴し、提案された学習指導案や協議内容から、フィリピンの小学校教員がイメージする、問題解決型授業の様相を捉えた。さらに、東京学芸大学で長期研修をうけたフィリピン人研究者と協議をすることで、日本式の問題解決型授業とフィリピンの教員がイメージするものとの乖離を見いだした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アフリカの教師教育者を対象にした調査のデータ分析が計画どおりに進み、信念・授業観の顕在化の手法の例を提案するに至ったため。
|
今後の研究の推進方策 |
教材研究中の議論での発話データの分析を進め、より実直な信念・授業観の顕在化を試みる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初アフリカへ渡航予定であったが、妊娠・出産のため、長距離の外国出張が不可能であったたため、研究のフィールドをフィリピンに変更することとした。 年度途中で産前産後休暇および育児休業を取得し、研究を中断したため。 育児休業復帰後、英語の発話データの分析をすすめるための、謝金等に使用する予定。
|