研究課題/領域番号 |
24730729
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
新野 貴則 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60353380)
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キーワード | 図画工作 / 美術 / 意味生成 / 感覚 / 題材開発 |
研究概要 |
図画工作・美術教育における子どもの創造的な行為を意味生成の行為としてとらえ、これを実現するための題材開発の視点を提示することを目指して研究を進めている。特に、様々な感覚の働きに焦点を当て、相互の関連をとらえることで具体的な題材開発の視点を提示することが本研究の目的である。この目的の実現に向けて、理論的研究・実践的研究の両面からアプローチすることとした。そこで理論的研究に関する研究課題Aと実践的研究に関する研究課題Bを設定し、相互に関連付けながら研究を進めることとした。 研究課題Aについては、図画工作・美術教育の実践の場において、子どもの創造的な行為と諸感覚の働きの関係を論理的に明らかにすることを目指し、理論的考察を進めている。今年度は諸感覚の働きの関係について検討するための前提として、言語と諸感覚との関係に焦点を当て考察を進めてきた。これについてはさらに検討する必要があるが、この研究過程において副産物的な成果として論文「図画工作科・美術科教育における主体的な学びに関する考察 ― 学びの主体のイメージモデル構築のための試論 ― 」をまとめた(学会誌『美術教育学』第35号に掲載済)。 研究課題Bについては、前年度に引き続き子どもの諸感覚に働きかける材料や道具、題材を工夫した予備的な研究実践を行っている。研究実践は、主に大学での授業、教員研修会等の機会を活用した。実践は昨年度の反省を踏まえ、造形材料や授業の展開等に工夫を加え実践を行った。その結果、改善された側面もあるがより幅広い材料等を活用した授業実践が必要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、理論的研究に関する研究課題Aと実践的研究に関する研究課題Bを設定し、相互に関連づけて研究を進めるものである。 研究課題Aについては、前年度に新たな課題が明らかになったが、これについて考察・検討し一つの成果をまとめることができた。また、研究課題Bについては、順調に進められ、改善点も見出すことができた。従って、「おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、理論的研究に関する研究課題Aと実践的研究に関する研究課題Bを設定し、相互に関連付けて研究を進めるものである。 研究課題Bについては、当初の予定通り進める。 研究課題Aについては、当初の目的と若干のずれが生じているが、研究課題Bとの関係に大きな変更は必要ないと判断したので、予定通り進めるものとする。
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