本研究の課題は,国語科教育の世界では「言語」というものをどのように捉えているのかという疑問について考えることであった.とは言え,この問題はとても大きな問題であるため,その解決につながるための,より具体的な問題を考える必要があった.そのために本研究期間で考えたのは「国語の教科書は,子どもの言語をどう描いているか」という問題であった.具体的には,比喩表現に注目し,その比喩表現の性質が学年が上がる毎にどのように変化しているかを考察した.その結果,小学校4年生を境に,比喩表現は抽象的なものが増えていくことが明らかになった.
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