最終年度である平成26年度には、平成25年度に実施した第1期、第2期アクションリサーチの成果を学会誌、および国内外の学会で発表した。 また、継続する実践研究として本年度は第3期アクション・リサーチを実施した。第3期では第1期、第2期アクション・リサーチの実施対象とは異なるA特別支援学校小学部1年2組の児童2名を対象に、4単位時間の授業実践を行った。第3期アクション・リサーチでは、第1期で検証した5種類のアクション・プランに第2期で検討した授業改善の方策を加えた合計6種類の枠組みでアクション・プランを策定し、第1期、第2期とは異なる集団に対しても第1期、第2期で生成した指導理論・方法が有効であるかどうかを検証した。その結果、実施した6種類の枠組み、及び指導理論・方法は造形活動における重度・重複障害児のQOL向上に一定の有効性が認められた。 本研究で示した指導理論・方法は、問いかけに対する反応がない重度の障害を持つ児童生徒に対する教員の指導の困難性を解消する一助となると共に、造形活動における重度・重複障害児のQOL向上に役立つと考える。
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