本年度は、本研究の総まとめとして、シティズンシップ教育研究の国際学会であるcitizEDのメンバーを主体とした国際シンポジウムにおいて、「カナダにおけるシティズンシップ教育と多文化の視点」と題して、カナダのシティズンシップ教育ならびに社会科教育における、多文化の視点とその課題について、登壇者の一人として発表を行った。本発表では、多文化主義政策など、多文化共生において先駆的な国家として知られるカナダの取り組みを、アルバータ州の社会科カリキュラムを事例に、具体的に提示するとともに、概念化・法則化することによって、カリキュラム構造を理論的に説明した。加えて、カナダが直面する新たな課題について提示することによって、遠からず日本社会が直面するであろう問題状況への対策について、講じて行く必要があることを具体的に提起できた点が、重要であると考える。
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