本研究においては,スペインの学校音楽科における多文化共生に向けた取り組みについて検討し、我が国の音楽科教育への示唆を得ることを目的とした。カリキュラムにおける基礎コンピテンシーの中で、多様性への理解や社会性・市民性などの能力伸長が掲げられるなど、国レベルでの対応の様子を確認した。続いて、音楽科教員へのインタビューおよび授業実践事例について検討した。児童間の境界やコンフリクトなど多文化共生における課題解決のために、交流場面を多く設定したり、家庭との連携を図ったりするなど、学校において音楽科教員が果たしている役割および具体的な方法について提示することができた。
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