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2013 年度 実施状況報告書

幼小連携からみた小学校低学年の体つくり運動に関する検討‐関係発達論を視点として‐

研究課題

研究課題/領域番号 24730754
研究機関西九州大学

研究代表者

松本 大輔  西九州大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20624498)

キーワード体つくり運動 / 幼小連携 / カリキュラム論
研究概要

平成24年度の成果と課題から、主体性や自主性といった学び方の側面からの交流に留まり,カリキュラム(教育課程)レベルでの連携が極めて少ないという実態が明らかとなった。特に小学校段階において主体的に学ぶなどの目標と授業のねらいとの関係の問題が曖昧であり、結局のところ学び方と何を学ぶのかという内容の差異が曖昧であると考えられる課題が把握された。また低学年の「体つくり運動」の授業実践においても運動自体の経験という側面と学習内容という側面の関係性が曖昧であるという課題が考えられた。
こうした課題を受け,平成25年度では平成24年度の研究成果から得られた知見を基に質問内容を選定し、小学校教員に対して幼小連携による低学年の「体つくり運動」の授業実践に関する意識調査を行った。その結果,幼小連携に関する意識が極めて低いこと,低学年の「体つくり運動」の内容論に関して難しさを感じていること,の二点が象徴的に捉えられた。
さらに,幼小連携という視点から幼稚園の運動,遊びに関する領域の活動,低学年の「体つくり運動」の授業に関する先行研究の検討及び授業観察を行った結果,幼稚園の運動,遊びが発育・発達を基盤とする内容論を中心に展開されているのに対して,低学年の「体つくり運動」の授業においては方法論や指導論が中心に展開されていることが明らかとなった。このような実践及び研究における観点の違いが幼小連携における低学年の「体つくり運動」の大きな課題であると捉えられた。
これらの課題を受け,小学校低学年の「体つくり運動」の授業実践を特性論,内容論から検討し,自分づくりの学習としての授業内容論を提言した。この視点の基,次年度の授業実践による実証的研究へと繋げていく。なおこれまでの成果は研究会発表を行った他,現在まとめ研究誌に報告する準備である。さらに次年度の観察調査を通して導かれた研究成果は学会や研究誌に報告する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度の研究計画は平成24年度に得られた結果を基にして,質問内容を選定し,幼稚園,小学校教員に対して幼小連携に関する半構造化インタビュー調査を行うことで幼小連携における「体つくり運動」に関する現状をより深く考察すること。また授業観察調査を行う事。以上により幼小連携という視点から低学年の「体つくり運動」の授業づくりにおける視点を明らかにすることであった。
半構造化インタビューは行ったもののまだ詳細な分析が出来てない。さらに意識調査に関しても行えたものの分母がまだ少ない現状がある。しかし,少ないといえ小学校教員に対して幼小連携による低学年の「体つくり運動」の授業実践に関する意識調査を行い,幼小連携に関する意識が極めて低いこと,低学年の「体つくり運動」の内容論に関して難しさを感じていること,の二点を見出せたこと,さらに,幼小連携という視点から幼稚園の運動,遊びに関する領域の活動,低学年の「体つくり運動」の授業に関する先行研究の検討及び授業観察を行い,幼稚園の運動,遊びに対する考え方と低学年の「体つくり運動」の授業においての考え方の違いが明らかとなったこと。その視点を基に,小学校低学年の「体つくり運動」の授業実践において自分づくりの学習としての授業内容論を提言出来たことはこれまでの成果であると考えられる。
このようにこれまでの研究結果からは幼小連携の課題と低学年の「体つくり運動」の課題という本研究テーマである二つの主要な側面から各々課題を捉えることで、来年度以降の授業実践の視点を明確に捉えることができたと考えられる。
多少の遅れはあるものの、研究の目的が幼小連携及び小学校低学年の「体つくり運動」の授業実践における現状の把握と授業実践の視点の提示いう観点から考えればやや遅れはあるものの概ね達成できていると考えられる。

今後の研究の推進方策

(今後の研究の推進方策)
平成26年度の研究計画これまで得られてきた成果より授業実践による実証的な検討を行う。実証的な検討では、前年度の調査により得られた自分づくりの学習という視点を基に、小学校1年生の「体つくり運動」の授業を考案、実践し、観察調査を通して実証的に授業づくりの視点を検討する。これらは,対象学級において1年間のフィールドワークを行う事で一単元の授業に留まらず,幼小連携のカリキュラム論的な視点による,1学期の授業実践による実証研究。さらに小学校カリキュラム論的な視点による第2・3学期の授業実践による実証研究を行う。実証研究に際して方法論としてのICT利活用の可能性についても検証する。また継続的に意識調査・半構造化インタビューの内容分析を行いより現状と課題を明らかにする。これらを通して幼小連携による小学校低学年の「体つくり運動」の内容論を確立し,そのれを基盤とした授業実践を提言する事とする。さらに3年間のまとめとして報告書の作成を行う。また研究会を開催し知見を共有したり,ホームページでの公開も行う。
(次年度の研究費の使用計画)
平成26年度では本年度の得られた,幼小連携からみた小学校低学年の「体つくり運動」を検討する際の,系統性をもった自分づくりの学習という学習内容の構築という課題を授業実証研究として進めていくこととする。その際に,子どもの”いま‐ここ”で体を動かしながら学んでいることの変化を質的に捉えていく必要があると考えられる。その為に授業を録画した動画を管理し分析するパソコンの重要性が考えられる。またICTの利活用という視点も視野に入れ授業実践者用のタブレット型パソコンや動画ソフト等も必要であると考えられる。その他にも学会・授業参観等にかかわる旅費,報告書作成にかかわる諸費用が必要である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度においては授業観察において、当初2台のビデオカメラ及び、タブレットパソコン等で観察し分析する予定であったが、実際には1台のビデオカメラにおいて行った。また撮影した映像を保存、分析までは至らず、保存、分析用のソフト及びハードが必要でなかったため。
今年度は実証授業においてビデオカメラを複数台配置し多角的授業を観察するためのビデオカメラの購入。及び保存、分析のためのソフト及びハードの購入を計画している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 自己理解を促す学習評価2014

    • 著者名/発表者名
      松本大輔
    • 雑誌名

      平成25年度「広域科学教科教育学研究」(東京学芸大学)

      巻: 第1年次報告書 ページ: 58-63

  • [学会発表] 自己への気づきによる運動の変化と自己評価の変化に関する検討

    • 著者名/発表者名
      松本大輔
    • 学会等名
      体つくり運動の学習評価を考えるプロジェクト
    • 発表場所
      東京学芸大学
  • [図書] 学び手の視点から創る小学校の体育授業2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木直樹・梅澤秋久・鈴木聡・松本大輔
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      大学教育出版

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公開日: 2015-05-28  

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