研究実績の概要 |
幼小連携の問題として「体つくり運動」の内容を検討してきたこれまでの成果をまとめ全体的考察を行うとともに,各実践及び理論的背景を学会及び書籍にて発表した.特に小学校における教科という視点及び,遊びと学び,関係発達論(鯨岡,2011)を視点とし全体的考察を行った.成果の具体的内容としては,幼小連携の視点から「体つくり運動」の内容として教科を状況枠組みとして捉え児童の遊びを拡げることで教科の内容との接点が関係性として構築され,そしてその接点の関係性は,モノや他者から働きかけられる運動から,モノや他者に働きかける運動への変化という児童の学びの変化として捉えられた.つまり自然に体育的な学びに“なっていく”という現象である.これは児童の今のそのままの姿を大切にしながら,授業者やモノ,体育という教科等の関係の中で今の姿から自己理解を通して小学生になっていくそのものの姿であったと捉えられよう. よって小学校低学年の「体つくり運動」の授業内容の検討においては学びと遊び及び教科の内容という観点からカリキュラムレベルで検討していく事の重要性が明らかとなった.またその内容を踏まえ,小学校低学年のゲーム領域の授業実践を行った.その結果,他者やモノに働きかける運動という内容の経験が活用されたボールゲームの深まりが見られた.つまり低学年の体育の学習内容における「体つくり運動」の重要性が他領域への発生という観点からも明らかとなった. これらの成果を学会に口頭発表2題,ポスター発表1題,及び書籍として発表を行った.さらにこれらの成果を全体的考察として報告書をまとめた.
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