研究課題/領域番号 |
24730755
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
鈴木 慎一朗 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (90442087)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 新制大学再編 / 音楽のカリキュラム / 師範学校音楽教科書 |
研究概要 |
本研究は師範学校から新制大学への再編における音楽教育実践に関する制度・内容・実態を明らかにすることが目的である。 平成24年度は、先行研究の検討、資料・情報収集等のために、日本声楽発声学会、関西楽理研究会、日本文化政策学会に参加した。 研究実施計画に基づき、「師範学校から新制大学における音楽のカリキュラム」について研究を行っている。具体的には、師範学校と帝国大学等が再編された唯一の事例である東北大学を取り上げ、3月に宮城教育大学附属幼稚園、宮城教育大学附属図書館、東北大学附属図書館において資料収集を行った。その成果の一部については、鳥取大学地域学部紀要に論文発表を行い、以下の点を指摘した。 宮城師範学校を母体とした北分校(教育教養部)は、教育学部の前期課程のみならず、後期課程の教員養成に関する教育を行っていた。カリキュラムに関しては、教育職員免許法に準じ、独自性はほとんどみられなかった。しかし、教育実習の指導に目を向けると、実習日誌や指導案の作成が課せられ、実習の内容も段階を踏んで展開されていた。また、レポートの作成が課せられ、教育科学的な視点で実践を捉える手立ても施されていた。さらに、今日声高に叫ばれている、附属学校との連携が図られ、研究会が実施されていた。このようなことから、東北大学における小学校教員養成は、決して軽視された内容ではなく、むしろ、帝国大学の研究手法と師範学校の教員養成を融合させた画期的な取り組みも見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
11月に白梅学園短期大学から鳥取大学地域学部へ異動したため、そのための準備に時間を要した時期があったものの、2月以降、研究調査にも出かけることもでき、おおむね順調に進展している。成果の一部については、鳥取大学地域学部紀要に論文発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
師範学校と高等学校等が再編された事例として、当初の研究実施計画では、岡山大学を計画していたが、音楽教育実践として特徴のある教員養成を行っていた、新潟大学教育学部高田分校芸能科へ変更し、調査を進める。 同時に、平成24年度の研究成果の発表を積極的に行い、日本保育学会、日本音楽表現学会、日本音楽教育学会等で口頭発表する計画である。さらに、学会誌への論文投稿も積極的に行っていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査旅費として、鳥取-新潟を計画している。 研究成果発表の旅費として、鳥取-福岡(日本保育学会)、鳥取-盛岡(日本音楽表現学会)、鳥取-青森(日本音楽教育学会)等を計画している。 なお、所属が東京から鳥取へ異動したため、当初の計画より国内旅費の金額が高くなることが予想される。
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