本研究の目的は,重度・重複障害児との共創コミュニケーションに関する映像資料を収集し,共創コミュニケーションが円滑に展開する条件と重度・重複障害児の行動の意味理解に至る過程を分析することであった.その結果,10事例の教育相談場面における映像資料のべ444回分を収集するとともに,教育的係わり合いにおいては子どものイニシアチブや共同的活動に視点をおくことで子どもとのインタラクションやコミュニケーションが活発化し,係わり手との関係性が進展するとともに活動も拡大することが明らかになるなど,共創コミュニケーションの枠組みが重度・重複障害児との教育的係わり合いにおいても有効であることが示唆された.
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