本研究は次の3点を実施した。1)全国492カ所の医療機関、重症児施設を対象に、就学前の超重症児の調査を実施した結果、回答が得られた312カ所には、255名の超重症児が在籍しており、療育を行う上で彼らの実態把握を行うことに困難を抱えていることが明らかとなった。2)超重症児2名に対する嗅覚への刺激呈示を行ったところ、脳内の感覚受容の亢進や、それに伴う覚醒水準の上昇がNIRS、HRの生理学的指標から明らかとなった。3)表出手段に著しく制限のある超重症児を対象に、対象児自身の拍動を音楽等に基づいてフィードバックする取組を実施した結果、児の覚醒を高めるもしくは安定させる可能性があることが明らかとなった。
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