研究課題/領域番号 |
24730774
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
涌井 恵 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育情報部, 主任研究員 (80332170)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 発達障害 / 協同学習 / 学び方を学ぶ / ユニバーサルデザイン / 通常の学級 / メタ認知 |
研究概要 |
通常の学級において、発達障害児も含めた誰もがわかるユニバーサルデザインな授業の開発は学校現場の喫緊の課題となっている。本研究ではこのような社会的要請に応えるために、発達障害児の在籍する通常の学級における指導プログラムの開発を行い、教師及び子ども向けガイドブックの作成を行うことを目的としている。先行研究で課題として残された、年齢段階別の「学び方を学ぶ」授業の教師・子ども向け手引きの作成や、国語以外の教科・学習活動における授業の展開について、重点的に取り組む予定である。本年度は研究目的の達成のため、以下の3点について研究を進めた。 1.年齢段階別の「学び方を学ぶ授業」カリキュラムの開発 :研究協力者の学級(通常学級)において試行的な実践を行い、データを収集した。授業を参観した教員を対象に、「学び方を学ぶ授業」に関するアンケートも行った。パーソナルポートフォリオに関するワークショップを開催し、研究協力者とパーソナルポートフォリオを「学び方を学ぶ」授業と協同学習を組み合わせた授業実践(愛称:スイミーとふろしき忍者・先生プログラム、以下、スイミー風呂プログラムと略す。)に取り入れていくアイデアについて検討した。 2.「学び方を学ぶ授業」と協同学習を組み合わせた指導プログラムの開発 :公開研究会や学会等により、協同学習に関する授業実践の資料収集を行った。また、「学び方を学ぶ」授業や協同学習を組み合わせた授業実践に関する指導案について、通常の学級等の教員に作成してもらった。 3.教員向けガイドブックの開発:教員研究会・研修会において、スイミー風呂プログラムの概略についての説明と共に、体験的なワークを行った。受講生からのアンケートやワーク課題のシート等から、どのようにすれば教員の理解を深め、授業実践へとつなげられるかについて貴重な資料を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画で収集する予定であった情報について、収集対象者の変更等はあったが、収集できている。 教育センター等で本研究の指導プログラムに興味を持っているところもあり、研修機会を活用して効率的な情報収集ができた。なお、情報の収集に当たっては、所属機関の倫理審査を経て実施している。
|
今後の研究の推進方策 |
学校全体で研究に参加していただける協力校がみつかり、当初の計画を拡張した内容に取り組めそうである。 教員や学校全体で本研究の指導プログラムを実施するための留意点や工夫点等も今後検討する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
上記の通り、学校全体で取り組みを行える協力校ができたことにより、実践授業について綿密に検討する必要性が出てきた。そこで、研究計画を若干変更し、研究協議会を次年度少なくとも2回の開催に増やすこととする。次年度使用額はこの予算の一部として計上する。
|