研究課題/領域番号 |
24740005
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 代数 / ムーンシャイン |
研究概要 |
2012年度は、"Generalized Moonshine IV: Monstrous Lie Algebras"というタイトルで論文を arXiv に投稿した。得られた結果は、具体的には次の通りである。 (1)ホモロジー代数と形式冪級数を用いた新しい頂点作用素代数を構築する方法を見いだした。 (2)モンスター単純群の各要素に対して、対称性のある頂点代数と無限次元リー代数を発見した。 (3)モンスター頂点作用素代数の既約なtwisted加群の194個全ての同値なクラスの指標を決定した。これまでの研究により6つのクラスが既に知られていたが、本研究により、全ての指標を決定した。 (4)モンスター群の要素の16個の共役クラスに対して、全てのg-twisted指数は、Hauptmodulnであることを示した。これは、Nortonの一般ムーンシャイン予想を裏付ける結果となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度は、当初予定していた2013年度の研究計画のほとんど全てについて、結果を与えることが出来た。特に、上記9.研究実績の概要に挙げたプレプリントではモンスター頂点作用素代数、新しい頂点代数とリー代数、全ての既約なTwisted加群指標を与えた。 さらに、2012年度の研究計画であった、log-smooth twisted 曲線における共形ブロックに対しても有意義な結果を与えることができた。具体的には、frameを持つ対数曲線のモジュライ空間における幾何学的な結果を得た。また、ほとんど滑らかな写像に沿ったlog-crystals が降下可能であることを証明した。これらの結果から、共形ブロックを函手的に構築できることが分かる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究計画は、次の二つである。 (1)log-smooth 曲線上の共形ブロックに関する研究を、終わらせることである。特に、nodal曲線がノーマライズされた時及び、log-pointが加えられた時の共形ブロックの挙動を扱った研究を論文にまとめて投稿する予定である。 (2)genus1のリーマン面上のtwisted共形ブロックとmodular不変量の研究を行う。この結果が、一般ムーンシャイン予想の解決の糸口になると期待している。 2014年度は、3次元の量子重力と2次元の共形場理論との関係づけを行う。また、Mathieu ムーンシャインの研究を行う。私は、Chrial de de Rham complexに関係付けられる頂点代数の研究が、Mathieu ムーンシャインの研究に適応できる考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度未使用額については、25年度開催の学会旅費とする。25年度については、コンピュータ部品及び海外・国内学会での成果発表のための旅費とする。
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