研究課題/領域番号 |
24740010
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
HERSCHEND Martin 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特任准教授 (90624627)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 表現論 / アウスランダー・ライテン理論 / 前射影多元環 / n有限表現型 / n無限表現型 / ポテンシャル付きクイバー / n正則加群 / 非可換代数幾何 |
研究概要 |
2012年度の最も重要な研究成果は、高次元Auslander-Reiten理論において基本的なクラスである「n無限表現型多元環」をOsamu Iyama, Steffen Oppermannとの共同研究において導入し、その基本的性質をまとめた論文を完成させたことである。論文はアーカイブで公表されている(arXiv: 1205.1272)。この研究成果に関して、カナダのバンフで開かれた国際研究集会「Linking representation theory, singularity theory and non-commutative algebraic geometry」、名古屋大学で開かれた国際研究集会「Conference on resolution of singularities and the McKay correspondence」および大阪大学で開かれた「大阪表現論セミナー」において講演をおこなった。 また2無限表現型多元環に対しては、3カラビ・ヤウ的なポテンシャル付きクイバーを用いた構造定理を与え、さらに2APR傾加群を用いた2無限表現型多元環の族の構成法も与えた。これらに関しては、現在、論文を準備中である。 2012年度末に、我々はGeigle-Lenzingによる重み付き射影直線の高次元化である、Geigle-Lenzing空間を導入し、傾対象が存在することを証明した。特にその自己準同型環として、Ringelによる標準多元環の高次元化を得た。これらに関しては様々な自然な問いが考えられ、研究は現在も進展中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
n無限表現型多元環を導入し、その基本的な性質を与える論文を完成させ、アーカイブで公表した。これは本研究計画における最も重要なステップである。 現在我々は、n無限表現型多元環と深く関係したクラスである、Geigle-Lenzing空間を導入し、研究を行っている。これは興味深い対象であり、本研究計画はおおむね順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
Geigle-Lenzing空間の研究と、3カラビ・ヤウ的なポテンシャル付きクイバーによる2無限表現型多元環の研究を完成させる予定である。 同時に当初の研究計画である、ポテンシャル付きクイバーの高階ヤコビ多元環を用いた、n無限表現型多元環の研究も平行して行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
5月にイランで開催される「Workshop on Higher Dimensional Auslander-Reiten Theory」に参加し連続講演を行う予定であるが、その渡航費として使用する。 また2、3名の若手研究者を海外から招聘するための費用として使用する。
|