研究概要 |
平成25年度は以下の研究を行った. 1.昨年度に引き続き,Borel 固定イデアルについて,その極小次数付き自由分解の一つである Eliahou-Kervaire 型自由分解に付随する CW 複体の構造について考察を行った.今年度は,一般の Borel 固定イデアルについて,即ち,該当イデアルが必ずしもコーエン・マコーレーではない場合について精査し,Eliahou-Kervaire 型自由分解に付随する CW 複体が球体と同相になる為の本質的な条件を探った.一般の Borel 固定イデアルの場合は,残念ながら,条件をイデアルの言葉で簡潔に書き下すことが困難であるとの結論に至ったが,球体となる現象についての理解をより深めることが出来た. 2.I. Novik,A. Postnikov,B. Sturmfels らによるアフィン有向マトロイドの有向マトロイドイデアルの極小次数付き自由分解に付随する CW 複体の構造について考察を行った. 3.Buchsbaum 加群のソークルに関する Novik-Swartz による結果(Advances in Mathematics 222, 2009)を Shenzel による双対化複体を利用した Buchsbaum 性の判定(Lecture Notes in Mathematics, Vol. 907, Springer, 1982,及び,Y. Yoshino, Journal of Algebra 159, 1993)を用いても証明できることを示した.本結果は,平成 25 年 9 月,及び,11 月の招待講演をきっかけに始めた研究から生まれたものである.
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